Ex-Citi Traders Club

金融経済評論

担当: 板垣哲史

歴史的に共和党政権で日本は繁栄する

 2017年を迎えるにあたって、一般には番狂わせのように報道されていた共和党のドナルド・トランプ氏が米国大統領となったことで、新大統領がどのような政策を取り、どのように世界に影響を与えるかについて様々な意見が出されている。

 おおかた批判的なコメントが目につくが、すでに既成事実となったことに、批判的視点や、やっかみの意見を述べても、何の展望も開けてこない。

 筆者は、建前論一辺倒で原則主義者の民主党の代表的ヒラリー・クリントンよりはるかにトランプ氏に好感を持っている。トランプ氏は、はっきり言って白人のほとんどすべてが腹の底に潜在している人種差別の思想を、あからさまに言うほど正直な人間である。口だけ「全ての人種が互いに尊敬し合いその共存こそが、米国の繁栄をもたらす」などと民主党のインテリたちは叫ぶが、現実には差別は一向になくならない。

 トランプ氏とは「腹の底は分かったが、米国の国益のために、偏見を超えてウイン・ウインの政策を遂行していこうではないか。」との日本の談判が通じるものと信じたい。もともと日本政府と共和党とは相性が良い。レーガン・中曽根、ブッシュ・小泉などなぜか気が合う歴史がある。

 彼の言うアメリカン・ファーストは、言い換えれば、歴史的にモンロー主義という共和党の伝統の思想の継承とでもいうべき国家の一つの常識である。これに対し、もう一つの流れが米国の民主党である。彼らは民主主義を正義の金科玉条のごとく掲げ、他国に押し付け、世界にさまざまの混乱を招いた。

 過去を振り返ると、第一次世界大戦に参入したのは、民主党のウイルソン大統領。中国国民党に軍事的支援をし、日米開戦を決断したのが、民主党のルーズベルト大統領、日本に原爆を落としたのは民主党のトルーマン大統領。朝鮮戦争に参入したのも同じトルーマン。休戦したのは共和党のアイゼンハワー大統領。ヴェトナム戦争を拡大させたのが、民主党のリンドン・ジョンソン大統領、撤退を決断したのが共和党のニクソン大統領。

 例外は湾岸戦争で国連決議のもと原油を巡る国益が絡んだ為に共和党の先代のブッシュ大統領。本土を攻撃された9.11の報復で息子のブッシュ大統領とあるが、これらはあくまでも米国の国益を揺るがす事態であったからである。  民主党の様にアメリカの正義を押しつけるための戦争ではない。

 その後、アラブの春の支援、イラクの混乱、アフガン問題、シリア問題に対して半端な米国の正義を押しつけて混乱させているのは民主党のバラク・オバマ現大統領である。

 トランプ氏の主張は明確である。米国本土、米国民が攻撃されない限り、他国には干渉しない。世界の警察官(米国の正義を押しつけるための他国への干渉)の立場はとらないと云うことであって、同盟国である欧州や、日本が窮地に立たされた時は、助っ人に出る事を否定したものではない。なぜなら同盟国との協調は米国の国益にかなうからである。

 一方、シリアにアメリカの正義を求めることには全く興味がないのである。但し、犯罪者、テロリストとは断固として戦う姿勢は貫こうとする体制は維持することを宣言しているのだ。トランプの背後には軍事産業を支配するネオコンが控えているし、強固な軍事態勢はこれまで以上にがっちり維持していくのである。

 経済も自国民を犠牲にするほど行きすぎたグローバル化を認めないのは、いかなる国家であっても同じ事である。

 日本政府も日本の巨大な多国籍企業である自動車業界ばかりを利するTPPを脱会し、日本から海外に工場を移転しようとする日本企業に多額の税金を課すぐらいの政策を取る事に気づいてもよさそうだ。

 人件費を削るために海外に工場の移転を容認する賛否をよく冷静に議論してもらいたい。


 これからの世界経済は、国民国家を不動のものとして、固有の文化を守りながら是々非々で他国との貿易を進めるべき次のステップに行き、これまでとやや異なった形で、世界の政治、経済が発展するべく、他国に無用な正義を押し付けない共和党のトランプ大統領に期待したい。2017年は、世界も日本も今年よりは大きく発展することは間違いないと信じる。